フィルムは記録する

北海道の旅

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鉄道省が北海道への旅客誘致のために製作したPR映画でトップ、エンドとも欠落しているが、元素材の途中で「北海道の旅 第二巻 鐡道省」のタイトルが確認できる。参考文献(『フイルムレビュー』)の記述と検閲記録から元々はそれぞれ独立した3巻の作品だったと考えられ、各巻の内容は第1巻「靑森函館間、大沼公園、小樽港、札幌市」、第2巻「札幌旭川附近及東部釧路方面」、第3巻「室蘭及長輪線方面」だが、元素材は第1巻と第2巻が中心になっていると思われる。青森での青函連絡船飛鸞丸への乗船から始まり、函館港に到着後は大沼公園の水辺の風景や雄大な駒ケ岳が紹介され、小樽を経て札幌駅、消防本部の望楼、大通公園、北海道庁、官幣大社札幌神社(現・北海道神宮)、北海道帝国大学(現・北海道大学)を回って市外の月寒種羊場と真駒内畜種場を訪れる。次の夕張炭山はやや唐突で本来の編集とは異なっている可能性も考えられる。定山渓温泉をはさんで根室本線で狩勝平原(狩勝峠)の雄大な景観を望んで釧路に向い、阿寒湖、雄阿寒岳と雌阿寒岳、硫黄山(アトサヌプリ)、屈斜路湖と和琴半島など道東の自然をめぐる。最後は旭川と絶景の層雲峡を訪れたところで終わる。なお、元素材は冒頭から半ばまで画面の左側のトーキー作品のサウンドトラックにあたる部分が帯状に白っぽくなっている。本作はサイレント作品として製作されており、可燃性フィルムからの不燃化の作業時に生じた可能性が考えられる。

作品詳細

作品番号
ST000321
映画題名
北海道の旅
映画題名ヨミ
ホッカイドウノタビ
製作年月日
1930
時間(分)
28
サウンド
サイレント
カラーの種類
白黒
製作会社
鐵道省
検閲番号等
1930年8月28日
E10930、日、實、景、北海道の旅、1巻、307m、鐵道省(製作者、申請者とも)、免
E10931、日、實、景、北海道の旅、1巻、298m、鐵道省(製作者、申請者とも)、免
E10932、日、實、景、北海道の旅、1巻、277m、鐵道省(製作者、申請者とも)、免
上記の3件の記録は同一作品ではなく、それぞれ以下の各巻に該当する可能性が考えられる。
1930年9月4日
E11273、日、實、景、北海道の旅 第一卷、1巻、313m、鐵道省(製作者、申請者とも)、免
E11275、日、實、景、北海道の旅 第二卷、1巻、302m、鐵道省(製作者、申請者とも)、免
E11277、日、實、景、北海道の旅 第三卷、1巻、278m、鐵道省(製作者、申請者とも)、免
各巻とも同日の検閲記録が上記を含め2件ずつある。
フィルム映写速度
18
備考
元素材は、1968年にアメリカ議会図書館より返還された35㎜可燃性ポジフィルムを不燃化した35㎜デュープネガを経て作製した35㎜上映用ポジフィルム。
参考文献
「鐵道省映畫目錄」(『フイルムレビュー』第五巻第二號、日本交通映畫協會、1931年)17頁
「中央官公廰團體文化映畫利用狀況 在庫目錄 31鐵道省運輸局旅客課」(市川彩、石巻良夫、下石五郎[責任編集]『國際映畫年鑑(昭和9年版)』國際映畫通信社、1934年)365頁(国立国会図書館デジタルコレクション)https://dl.ndl.go.jp/pid/1075886/1/252

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