滿洲 地方篇
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『滿洲 序篇』(ST000266)『滿洲 資源篇』(ST000333)とともに満洲の気候、風土、社会、資源、地方の風物などを紹介する3篇中の1篇で全5巻と最も長い。日本の租借地だった関東州と1932年3月1日に建国を宣言した満洲国を鉄道でたどる構成で、旅順を振り出しに奉天以南の各地から、北はハルビン、東は吉林の先、西は内蒙古の通遼まで、中国東北部各地の街並み、旧跡、寺社や廟、産業、人々の生活を収めた紀行映画となっている。
参考文献(『官報』および『文部省敎育映畫時報 13 昭和九年三月』)に記された内容は以下のとおりである。
第1巻:関東州(旅順、大連、金州)
第2巻:満州国(営口、鞍山、遼陽、安東、本溪湖、山海関、錦州、打虎山[大虎山])
第3巻:満州国(奉天城内外)
第4巻:満洲国(奉天満鉄附属地、撫順、四平街、公主嶺、新京、寛城子)
第5巻:満洲国(ハルビン、吉林、鄭家屯、通遼)
各地で日露戦争の戦跡には注意が向けられ、満洲事変にかかわる場所が新たな戦跡として扱われる。奉天では壮麗な張学良旧邸が皮肉交じりに紹介されるとともに、中国の慈善団体・同善堂の活動が伝えられる。新京では満洲国執政府の人々(鄭孝胥、謝介石、馮涵清、丁鑑修、趙欣伯、王静修、駒井徳三)が一人ずつカメラに収められている。最後にはラクダが人々の交通機関となっているモンゴルの平原地帯の荒涼とした風景を見せつつ、中間字幕の説明は限りない富源が埋まるその平原に眠る日本の将兵数万の英霊と不毛の地を拓いてきた同胞たちへの思いを謳い、「我々日本國民はひとしほ滿洲の開發と日滿の共榮とに手を籍さずには居られやうか」という言葉に作品の意図を集約して全篇を閉じる。
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作品詳細
- 作品番号
- ST000334
- 映画題名
- 滿洲 地方篇
- 映画題名ヨミ
- マンシュウチホウヘン
- 製作年月日
- 1932-1933
- 時間(分)
- 83
- サウンド
- サイレント
- カラーの種類
- 白黒
- 製作会社
- 文部省
- 配給会社
- 文部省
- 配給年月日
- 1933.4.[頒布]
- スタッフ
- 白井茂、川谷庄平[撮影]雨夜全、斎藤宗武
- 検閲番号等
- 1933年5月9日
H5283、日、實、風、滿洲 地方篇、5巻、1510m、文部省(製作者、申請者とも)免 - フィルム映写速度
- 16
- 備考
- 元素材は、1971年度に文部省より管理換された35㎜不燃性マスターポジフィルム。
参考文献(『官報』)に記載された尺長1500mと比較すると、元素材である上述のフィルムの尺長は1519.474mで20m近く長い。
スタッフ名は参考文献(『日本教育映画発達史』および『カメラと人生―白井茂回顧録―』)による。 - 参考文献
- 「活動寫眞「フイルム」頒布」(『官報』第一八九五號、1933年4月26日)831頁(国立国会図書館デジタルコレクション)https://dl.ndl.go.jp/pid/2958367/1/26
「實際知識と機宜を得たる紹介に一段の新味を見せた文部省映畫」(『國際映畫新聞』第九十三號、1933年)48頁
編輯部「作品内容から見た 近作文化映畫紹介」(『キネマ週報』第百六十一號、1933年)17頁(国立国会図書館デジタルコレクション)https://dl.ndl.go.jp/pid/7965092/1/9
「新作映畫解説」(文部省社會敎育局編『文部省敎育映畫時報 13 昭和九年三月』、1934年)21-51頁(国会図書館デジタルコレクション)https://dl.ndl.go.jp/pid/1149009/1/13
文部省『敎育映畫硏究資料 第十八輯 本邦映畫敎育の發達』(1938年)「文部省製作映畫年度別」71頁(国立国会図書館デジタルコレクション)https://dl.ndl.go.jp/pid/1451797/1/40
田中純一郎『日本教育映画発達史』(蝸牛舎、1979年)100頁(国立国会図書館デジタルコレクション)https://dl.ndl.go.jp/pid/12438070/1/54
白井茂『カメラと人生―白井茂回顧録―』(ユニ通信社、1983年)58-60頁。