フィルムは記録する

良き公民として

  • 教育
  • 民俗

近代国家の国民としての必要な政治的・経済的・社会的知識の習得を目的とする「公民教育」に関する教化映画で、1931年に中学校の課程に「公民科」が学科目として新設された(『学制百二十年史』)ことが製作の契機になったと考えられる。「協同・協和」の精神を全体の基調として、俳優を使った演出場面やミニチュア撮影場面に加えて既存作品の映像も使いながら構成されている。後半では特に選挙権の行使を公民としての責任・義務であるとして、思想、経済、国際関係の国難に直面する日本の状況を打開し国運の進展を図るためには、一票の重さの「自覚」と「協和の力」によるほかはないことを主張して全篇を閉じる。振進キネマ社は1929年に『覺めよ國民』(ST000178)の制作を文部省から請け負っており、同社の創設者で同作の監督でもあった井上麗吉が本作でも主導的な役割を担ったと考えられる。なお参考文献(「文部省映畫施設槪況/二、「良き公民として」(全三卷)」)では1934年の2月から5月にかけて全国の33府県で巡回上映が行われ、26万人近くの人々が本作を鑑賞したことが報告されている。

作品詳細

作品番号
ST000335
映画題名
良き公民として
映画題名ヨミ
ヨキコウミントシテ
製作年月日
1933
時間(分)
42
サウンド
サイレント
カラーの種類
白黒
製作会社
文部省
配給会社
文部省
配給年月日
1934.1.[頒布]
スタッフ
新進キネマ社[撮影]
検閲番号等
1934年2月6日
I1008、日、實、敎、良き公民として、3巻、741m、文部省(製作者、申請者とも)、免
フィルム映写速度
16
備考
元素材は、1971年度に文部省より管理換された35㎜不燃性マスターポジフィルム。
検閲時報の記載と比べると、元素材である上述のフィルムの尺長は765.078mで約24m長い。
製作年は管理換時の資料では1932年となっているが、1933年3月18日に実施された東京市の市会議員選挙の投票分会所入場券や同時期の新聞紙面が画面に現れることから1933年とした。
参考文献
「活動寫眞「フイルム」頒布」(『官報』第二一一五號、1934年1月23日)541頁(国立国会図書館デジタルコレクション)https://dl.ndl.go.jp/pid/2958588/1/10
「文部省映畫施設槪況/二、「良き公民として」(全三卷)」(文部省社會敎育局編『文部省敎育映畫時報 第十五號 昭和十年三月』1935年)93-97頁(国立国会図書館デジタルコレクション)https://dl.ndl.go.jp/pid/1149015/1/50
文部省『敎育映畫硏究資料 第十八輯 本邦映畫敎育の發達』(1938年)「文部省製作映畫年度別」71頁(国立国会図書館デジタルコレクション)https://dl.ndl.go.jp/pid/1451797/1/40
文部省『学制百二十年史』(ぎょうせい、1992年)70頁(国立国会図書館デジタルコレクション)https://dl.ndl.go.jp/pid/13219363/1/48

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