陸軍騎兵学校 主催 全国乘馬大会
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千葉県の習志野原(現・船橋市)にあった陸軍騎兵学校で行われていた乗馬大会の記録で、後半には騎兵学校の教官で馬術の名人として「昭和の曲垣平九郎」と謳われた遊佐幸平陸軍少佐(のち少将)による高等馬術の模範演技を収める。乗馬大会の撮影時期は参考文献(『続日本馬政史 一』)から1923年以降と考えられる。同文献には1925年4月12日開催の大会について「この年は閑院宮、久邇宮などの台臨があり」「競技は紳士学生撒紙競馬よりはじまり、つづいて将校巻乗競馬」とあるが、閑院宮載仁親王と思しき立派なカイゼル髭を蓄えた軍人と、久邇宮邦彦王と思しきソフト帽に洋装の恰幅のいい人物の姿が画面に認められること、また参考文献の記述と順序は逆になるが「卷乗競馬」と「撒紙競馬」の各競技が紹介されることから、同年の大会を撮影した可能性が考えられる。遊佐少佐の高等馬術については「習志野でその鮮やかな手綱の捌き工合いを日活のフイルムに收められることになつた」と伝える1923年の新聞記事(『東京朝日新聞』)があることから、そのフィルムが使われている可能性がある。なおこの場面では、馬を走らせてきた遊佐少佐がカメラの前で止まると、前半に登場するカイゼル髭の軍人に向かって馬上から敬礼するように編集されている。元素材のエンドは欠落している。
作品詳細
- 作品番号
- ST000325
- 映画題名
- 陸軍騎兵学校 主催 全国乘馬大会
- 映画題名ヨミ
- リクグンキヘイガッコウシュサイゼンコクジョウバタイカイ
- 製作年月日
- 1923-1929
- 時間(分)
- 12
- サウンド
- サイレント
- カラーの種類
- 白黒
- 製作会社
- 日本活動寫眞株式会社東京撮影所
- 検閲番号等
- 1926年7月27日
A4641、日、實、宣、産、陸軍騎兵學校主催全國大會、2巻、437m、日本活動寫眞株式會社、農林省、新
元素材には検閲番号の穿孔跡があり、以下の検閲時報の記録と合致し、題名が少し異なるが上記と同一作品の可能性が考えられる。
1929年9月16日
D11038、日、實、宣、産、陸軍騎兵學校主催全國乘馬大會、2巻、432m、日本活動寫眞株式會社、農林省、免 - フィルム映写速度
- 16
- 備考
- 元素材は、アメリカ議会図書館より返還された35㎜可燃性ポジフィルムを不燃化した16mmデュープネガを経て作製された16㎜ポジフィルム。
製作会社は検閲記録ならびにメインタイトルのあとの「NKマーク」のタイトルによる。このマークの下に出る「東京撮影所」は、日本活動寫眞株式会社(日活)東京(向島)撮影所を意味していると思われる。同撮影所は1923年11月に発生した関東大震災で被災して同年11月に「現代劇部が京都の大将軍撮影所に合流した」一方で、「向島の撮影所には、少数のスタッフが残留し、ニュース映画の受注などを続けていたが、その後閉鎖された」(『日活百年史』)という。参考文献(『日本映畫事業總覽 大正拾五年版』)には東京撮影所の記載があり、所長に根岸耕一、技術部撮影係にはいずれも向島撮影所のキャメラマンだった渡邊寛(主任)と樋口哲雄の名が記されている。 - 参考文献
- 「日本一 馬術の名人 けふ活動に收まる 遊佐少佐」(『東京朝日新聞』1923年3月17日付)2面
「活動寫眞關係會社要覽/日本活動寫眞株式会社」(市川文作[編]『日本映畫事業總覽 大正拾五年版』國際映畫通信社、1925年)253-255頁( 国立国会図書館デジタルコレクション)https://dl.ndl.go.jp/pid/1017847/1/179
『続日本馬政史 一』(神翁顕彰会、1963年)598-599頁(国立国会図書館デジタルコレクション)https://dl.ndl.go.jp/pid/2499779/1/312
川口和男「映画技術史資料 昔の撮影所跡をたずねて⑶」(『映画テレビ技術』№194、日本映画テレビ技術協会、1968年)63-66頁(国立国会図書館デジタルコレクション)https://dl.ndl.go.jp/pid/4432975/1/33
石井恒男「遊佐幸平」(『日本大百科全書 23』小学館、1988年)433頁(国立国会図書館デジタルコレクション)https://dl.ndl.go.jp/pid/12405202/1/223
習志野市教育委員会[編]『習志野市史 第1巻 通史編』(習志野市、1995年)750-751頁(国立国会図書館デジタルコレクション)https://dl.ndl.go.jp/pid/9644794/1/401
「Topics 100 no. 018 撮影所の変遷―東京篇」(『日活100年史』日活、2014年)56-57頁