本鄕より駒場への移轉式 皇紀二千五百九十五年九月十四日
東京帝国大学農学部との敷地交換により駒場に移転することになった本郷の旧制第一高等学校(一高)が1935年9月14日に挙行した移転式の記録。本郷の寄宿寮の会堂での訣別式に続き、グラウンドで行われた森巻吉校長の訓示、小田村寅二郎寄宿寮委員長が持つ一高校旗「護国旗」を先頭にしての駒場までの行進、駒場到着後の護国旗の返還、そして雨天体操場での開寮式までの一連の行事の模様が収められている。行進には校長以下の教員たちも正装して参加し、寮生たちは脚にゲートルを巻き、帯剣して軍事教練用の小銃を担ぐ「武装行進」姿だった。行進は本郷からお茶の水、駿河台下を経て二重橋前で宮城を遥拝、その後は永田町、赤坂見附、神宮外苑入口、渋谷を通過して駒場校舎正門前に到着した(参考文献『向陵誌 駒場篇』)。その行程は本作でもほぼ確認できるが、渋谷駅を通過した行進が栄通方面(現・文化村通り)に進む様子や、1両編成の帝都電鉄(現・京王井の頭線)の通過が見られる駒場校舎本館からの俯瞰撮影など興味深い映像が含まれている。
作品詳細
- 作品番号
- ST000303
- 映画題名
- 本鄕より駒場への移轉式 皇紀二千五百九十五年九月十四日
- 映画題名ヨミ
- ホンゴウヨリコマバヘノイテンシキコウキニセンゴヒャクキュウジュウゴネンクガツジュウヨッカ
- 製作年月日
- 1935
- 時間(分)
- 9
- サウンド
- サイレント
- カラーの種類
- 白黒
- 製作会社
- 松竹キネマ株式会社
- フィルム映写速度
- 24
- 備考
- 元素材は、2004年度に一高同窓会より受贈した35㎜可燃性ポジフィルム。
製作会社について、会社名のクレジットはないがメインおよびエンドタイトルのデザインなどから、本作に先行する『一高生活』(ST000199)および『皇太子繼宮明仁親王殿下 御降誕奉賀式 昭和九年二月二十三日』(ST000187)と同じく松竹キネマと判断した。なお、参考文献(『向陵時報』第七十三號「映畫演劇硏究會」)には、一高映画演劇研究会の活動としてこの移転行進を16㎜で約200フィート撮影したことが報じられているが本作には該当しないと考えられる。 - 参考文献
- 『向陵時報』(第七十三號、1935年9月)
「移轉式三高戰風景」1頁
「向陵魂の移植 駒場の新天地さして堂々一千の健兒行進 護国旗を擁し皇宮遙拜」2頁
「映畫演劇硏究會」2頁
『向陵誌 駒場篇』(一高同窓会、1984年)5-8頁(国立国会図書館デジタルコレクション)https://dl.ndl.go.jp/pid/12058174/1/31