フィルムは記録する

白耳義國ニ於ケル亜麻ノ耕作ト製線ノ實況

世界的に知られるベルギーリネンの原料となる亜麻の栽培と加工を、帝國製麻(現・帝国繊維)の日本人技師が1927年から1928年にかけての長期ロケで丹念に撮影したフィルムを、日本商会という製作会社が1935年にまとめた作品。冒頭には本作がまとめられた時期に撮影されたと思われる、東京の日本橋北詰の特徴的な帝國製麻本社ビルが映し出される。続いてベルギーのリゾート地として有名なオステンド(オーステンデ)の浜辺が紹介されるが、本作でこの場面のみは染色されている。亜麻については畑の整地、播種、除草、収穫から、種を落として川の水に浸した亜麻茎を乾燥させて皮を取り除く製線作業までが丁寧に綴られる。1920年代のベルギーの農村や繊維工場の様子が見られる点でも興味深い。それぞれ欠落のあった可燃性オリジナルネガと上映用プリントの二つの素材から作成した「最長版」を公開する。

作品詳細

作品番号
ST000227
映画題名
白耳義國ニ於ケル亜麻ノ耕作ト製線ノ實況
映画題名ヨミ
ベルギーコクニオケルアマノコウサクトセイセンノジッキョウ
製作年月日
1928-1935
時間(分)
31
サウンド
サイレント
カラーの種類
白黒/染色
製作会社
帝國製麻株式會社、日本商會[フヰルム製作]
スタッフ
大貫吉之助(帝國製麻株式會社 技師)[撮影・解説]
フィルム映写速度
12
備考
元素材は、国立映画アーカイブ所蔵の35㎜可燃性オリジナルネガフィルムより、2009年度に不燃化した35㎜マスターポジフィルムを経て作製した35mmデュープネガフィルム、および35mm可燃性ポジフィルムより不燃化した35mmインターネガフィルム。