フィルムは記録する

ツェッペリン エル.ゼット127号 日本訪問 1929

1929年、ツェッペリン社の飛行船LZ127(ツェッペリン伯号は愛称)は世界一周飛行の途上、霞ヶ浦の海軍飛行場に寄港し大きな関心を集め、8月19日から23日までの日本滞在中、船長のフーゴー・エッケナー博士ら乗船者は大歓迎を受けた。松竹キネマのほか各映画会社、東京朝日と東京日日の新聞社に加え文部省がこの話題を撮影して日本各地に伝えた。本作ではツェッペリン伯号の概要説明に始まり、東京日日新聞による航空撮影、霞ヶ浦飛行場上空を通過する巨大飛行船とそれを見上げる人々の晴れやかな様子が続く。東京上空に現れたツェッペリン伯号は各所から撮影され、歌舞伎座、増上寺、三井本館、郵船ビル、三菱本社などの上空を通過したのち、群衆が待ち受ける霞ヶ浦飛行場に着船する場面で終わる。着船の際のバラストの水が放水される様子も捉えられている。乗務員一行の東京訪問とツェッペリン伯号の出発を伝える第二報(ST000196)が製作された。

作品詳細

作品番号
ST000203
映画題名
ツェッペリン エル.ゼット127号 日本訪問 1929
映画題名ヨミ
ツェッペリン エルゼットヒャクニジュウナナゴウ ニホンホウモン センキュウヒャクニジュウキュウ
製作年月日
1929
時間(分)
14
サウンド
サイレント
カラーの種類
白黒
製作会社
松竹キネマ株式会社(蒲田)
スタッフ
城戸四郎[総指揮]松竹キネマ蒲田撮影所[撮影]東京日日新聞社[空中撮影]
検閲番号等
1929年8月20日
D9526、日、實、時事、ツエツペリンエルゼット一二七號日本訪問、1巻、215m、松竹キネマ株式會社(製作者、申請者とも)、新
同日に同題名のフィルムの検閲記録が上記を含め15件ある。なお、この検閲記録は元素材と同じ作品のものと考えられるが、元素材の尺長は287.774mで約73m長い理由は不明である。
フィルム映写速度
18
備考
元素材は、2004年度にロシア・ゴスフィルモフォンドより入手した35㎜不燃性上映用ポジフィルム。
参考文献
藤波健彰『ニュースカメラマン 激動の昭和史を撮る』(中央公論社、1977年。文庫版は1980年)71頁[文庫版]
白井茂『カメラと人生―白井茂回顧録―』(ユニ通信社、1983年)95頁。
『第4回特別展図録 夢の空へ ツェッペリン伯号と初期航空機の時代]』(土浦市立博物館 編、1990年)
「ドイツ先端技術への驚き-1929年ツェッペリン飛行船到来」(国会図書館 本の万華鏡)https://www.ndl.go.jp/kaleido/entry/7/3.html