フィルムは記録する

韃靼海峽氷原航海 大正十二年二月

1922年1月、サハリン(樺太)島ピレウォ岬沖で航行不能になった中華丸の救援を目的に、翌1923年2月に砕氷艦大泊にて小樽港を出航したサガレン州派遣軍の活動記録を、小樽の篤志家で衆議院議員も務めた寺田省帰の資金により、映画の前口上文「氷中海陸活動寫眞に就いて 於舞鶴城麓」の筆者である陸軍歩兵大佐近藤至誠が撮影したと言われる長篇記録映画。氷結した海を進む船のダイナミックな姿とともに、当時「亜港」と呼ばれたアレクサンドロフスク=サハリンスキーにおける演習風景、病院や学校等の施設、市場や食料事情、架橋工事や桟橋建設、防寒具の着装デモ、臨時海軍防備隊や歩兵旅団の紹介など、同地における陸海軍の活動や地元の姿が幅広く収められている。

作品詳細

作品番号
ST000060
映画題名
韃靼海峽氷原航海 大正十二年二月
映画題名ヨミ
ダッタンカイキョウヒョウゲンコウカイ タイショウジュウニネンニガツ
製作年月日
1923
時間(分)
65
サウンド
サイレント
カラーの種類
白黒
製作会社
海軍省
スタッフ
製作:海軍省、撮影:近藤至誠
検閲番号等
1927年2月1日
B1202、日、實、宣、衞、韃靼海峡氷原航海、6巻、1,346m、海軍省(製作者、申請者とも)、新免
これにより、製作会社を海軍省とした。ただし、このフィルムが元素材である35㎜インターネガに先立つ35㎜プリントである裏付けは見つかっていない。
フィルム映写速度
16
備考
元素材は、1968年度にアメリカ議会図書館より返還された35㎜ポジプリントを不燃化して作成された35㎜インターネガ。
参考文献
フィルム・ライブラリー助成協議会『世界のフィルム・ライブラリー 1969年』(1969年)「東京国立近代美術館フィルム・ライブラリー 新収蔵映画(1968年4月~69年3月)」20頁
東京国立近代美術館フィルムセンター編『FC フィルムセンター 11 日本の記録映画特集―戦前篇⑴』(東京国立近代美術館、1973年)5頁