フィルムは記録する

支那風俗風景

満洲国樹立以前の中国東北部の風俗風景を収めた作品で、瀋陽の北陵公園や大連にあった港湾労働者の宿泊施設である碧山荘などから撮影は遼寧省内で行われたのではないかと考えられる。「女工」「苦力」「盗人市場」「貧民街」「藝妓」など労働者の働く姿や庶民風俗の点描が強い印象を残す。検閲記録に記載された製作者の小堀寅次郎は朝鮮総督府鉄道管理局を経て中国東北部で映画製作に転身し、「中国全土、ソ連国境周辺を幾度となく撮影した映像に自らの熱弁で解説をした」(参考文献『鹿島町史別巻 鹿島人物事典』)という人物で、参考文献(「愛氷雑記/貴重なる映畫」)では小堀が製作した全8巻、2000mの『大亞細亞の建設』という作品が紹介されており、参考文献(『東和の半世紀』)には『動乱の支那』など本作と同じ満洲教育映画協会製作の短篇映画4作品にも製作者として名前が記されている。

作品詳細

作品番号
ST000287
映画題名
支那風俗風景
映画題名ヨミ
シナフウゾクフウケイ
製作年月日
1931
時間(分)
9
サウンド
サイレント
カラーの種類
白黒
製作会社
満洲敎育映画協會
スタッフ
小堀寅次郎[製作者]
検閲番号等
1931年12月4日
F13915、日、實、時事、支那の風俗風景、1巻、164m、小堀虎次郎(製作者)、陸軍省新聞班(申請者)、免
元素材には検閲番号の穿孔跡があり、以下の検閲時報の記録と合致することから、上記も本作と同じ作品と考えられる。
1931年12月12日
F14330、日、實、時事、支那の風俗風景、1巻、167m、小堀虎次郎(製作者、申請者とも)、新
フィルム映写速度
16
備考
元素材は、アメリカ議会図書館より返還された35㎜可燃性ポジフィルムを1971年度に不燃化した35㎜デュープネガフィルム。
検閲時報の記載と比べると、元素材である上述のフィルムの尺長は168.588mで約1.6m長い。
参考文献
「奉天北陵の正門/北陵の中庭/北陵の前樓」(守屋秀也『南滿洲寫眞帖』滿洲日日新聞社、1917年)[頁数不記載](国立国会図書館デジタルコレクション)https://dl.ndl.go.jp/pid/3464693/1/82
「愛氷雑記/貴重なる映畫」(『藝術』第十五卷第五號、藝術通信社、1937年3月)6頁(国立国会図書館デジタルコレクション)https://dl.ndl.go.jp/pid/1560470/1/6
『東和の半世紀 50 years of TOWA : 1928-1978』(東宝東和、1978年)[配給作品リスト]73-74頁(国立国会図書館デジタルコレクション)https://dl.ndl.go.jp/pid/12437016/1/186
鹿島町史編さん委員会[編]『鹿島町史別巻 鹿島人物事典』(鹿島町、1991年)76頁(国立国会図書館デジタルコレクション)https://dl.ndl.go.jp/pid/9644525/1/50
「大連・労働者の塒碧山荘」(京都大学貴重資料デジタルアーカイブ)https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00030752