フィルムは記録する

アテナ・ライブラリー 第六十四篇 軍用犬

千葉県都賀村(現・千葉市稲毛区天台)に置かれた陸軍歩兵学校を舞台に、「傳令・警戒・運搬・捜索」の目的で使われる軍用犬の訓練風景を、子犬の調教から順を追って紹介している。なお、本篇前の先付にロゴが出てくる「國防館」は、1934年4月23日に、国民への軍事知識普及を目的に設置された靖国神社遊就館の附属施設(現・靖国会館)。

作品詳細

作品番号
ST000139
映画題名
アテナ・ライブラリー 第六十四篇 軍用犬
映画題名ヨミ
アテナライブラリー ダイロクジュウヨンヘン グンヨウケン
製作年月日
1933
時間(分)
14
サウンド
サイレント
カラーの種類
白黒
製作会社
横濵シネマ商会
スタッフ
横濵シネマ商会[製作]陸軍歩兵學校[指導]上野行清[撮影]青地忠三[編輯]
検閲番号等
1933年3月29日
H3635、日、實、敎、軍用犬、1巻、60m、横濱シネマ商會(製作者)、小西六本店(申請者)、16ミリ、新
1933年4月25日
H4665、日、實、敎、軍用犬、1巻、291m、横濱シネマ商會(製作者)、警視廳(申請者)、免(35ミリと思われる)
なお、翌1934年には遊就館が申請した検閲の記録がある。
1934年5月31日
I6520、日、實、敎、軍用犬、1巻、290m、横濵シネマ商會(製作者)、遊就館(申請者)
フィルム映写速度
18
備考
元素材は、1986年度にアメリカ議会図書館より返還された35㎜ポジプリントを不燃化して作成された35㎜反転プリント。
本作の製作年については、資料によってブレ(1933年、1934年)があるが、内務省検閲記録によれば、35㎜、16㎜ともに、1933年に通過記録があるため、この年を製作年とした。
アテナ・ライブラリーの通番号については、『映像文化の担い手として 佐伯英輔「ヨコシネ」の歩んだ70年』では66編となっているが、ここでは本篇先付に従って、「第六十四篇」として題名表記した。
なお、同じく検閲記録から、「國防館」ロゴの先付がある本映像の元素材は、同館の開館(1934年4月23日)直後に遊就館が収集したものではないかと推測される。
参考文献
ヨコシネディーアイエー『映像文化の担い手として 佐伯永輔「ヨコシネ』の歩んだ70年』(1995年)27頁 下段年表、および[資料1]「アテナ・ライブラリー作品一覧」92頁
全日本映畫敎育研究會編『日本敎育映畫總目錄 昭和十二年版』(大阪每日新聞社『映畫敎育』第百七輯附録、1937年)19頁
陸軍歩兵學校研究部『軍用犬ノ飼育ト訓練』[増訂再版](陸軍歩兵學校將校集會所、1930年)
(国立国会図書館デジタルコレクション)https://dl.ndl.go.jp/ja/pid/1208210